かつおの栄養

かつおの特徴と栄養
■かつお(鰹)
かつおは、マグロと同じスズキ目サバ科に属し、英語圏ではマグロと区別せず、両方ともツナtunaと呼びます。
特徴
かつおは背中が青紫色で、夏になると濃くなります。腹側は銀白色で4~5本の縦縞が走り、この縞は死後、濃くなります。体は高速で泳ぐため、水の抵抗が少ないように紡錘形で、ウロコはほとんどなく、筋肉が発達しています。効率よくエネルギーを燃焼させるため、多くの酸素を保有できるミオグロビンという赤い色素たんぱく質が筋肉に多く、いわゆる血合肉がよく発達しています。

 日本近海へは黒潮にのって、毎年早春に沖縄や小笠原諸島に現われ、五月には南日本一帯に見られるようになり、春から初夏は、初かつお(上がりかつお)の旬となります。夏には黒潮にのって東北沿岸を北上、北海道沖に滞留した後、水温の低下する初秋に南下を開始、晩秋には日本近海から去っていきます。南下する頃はよく成長して大きくなり、「戻りがつお」とか、「下りかつお」と呼ばれ、脂肪ものっています。「目には青葉山ほととぎす初がつお」と言われるように、初物や好む江戸っ子は、初夏のかつおを珍重しましたが、味は淡泊で、脂がのっておいしいのは晩秋にとれる「戻りがつお」です。
選び方
体表にある縞模様がはっきりしているものほど新鮮です。鮮度が落ちてくると鈍い色合いになってきます。また、鰓(えら)が鮮紅色なものほど鮮度が高く、鮮度が落ちてくると鈍い赤になり、やがて白くなります。
調理
前部にある硬い鱗をそぎ落としてから下ろします。皮は薄く、骨は比較的軟らかいのが特徴です。 内臓、頭部などに血液が多く、筋肉は赤身で血合いが多くを占めます。熱を通すと硬く締まり、あらなどからうま味の強いだしが採れます。生食(刺身、たたき、揚げたたき、ぬた、漬け、塩切り、カルパッチョ)、汁(みそ汁、しょうゆ仕立て、潮仕立て)、煮る(塩ゆで、煮つけ)、揚げる(唐揚げ、天ぷら)、焼く(腹身塩焼き、塩ガツオ、祐庵焼、粕漬)、飯(炊き込みご飯、茶漬け)
栄養価  
かつおのたんぱく質含有量は本マグロに次いで多く、良質タンパク質源となります。 回遊魚特有の血合肉が多く、また、タウリンも多く含まれています。タウリンには血中コレステロールを下げたり、心臓の機能を高め、血圧を正常にさせ、肝機能改善作用などがあります。一方、脂肪には、コレステロールや中性脂肪を減らし、動脈硬化や血栓予防に効果があるEPAやDHAなどの高度不飽和脂肪酸が多く含まれています。血合肉にはビタミンB1、B2、B12、ナイアシンなどのビタミン類や鉄が多く含まれ、貧血や疲労回復に効果が期待できます。また、骨粗鬆症を予防するビタミンDも多く含まれています。

女子栄養大学副学長   農学博士   五明 紀春

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