あじの特徴と栄養

■あじ(鯵)
アジはスズキ目アジ科の魚類の総称で、温帯から熱帯の海域に分布し、暖流にのって群れをつくって回遊する魚です。種類が非常に多く、日本近海だけでも二十種類以上あります。主なものは、マアジ、メアジ、ムロアジ、シマアジなどです。
特徴
「アジ」という名前は、味がいいところからついた名前と言われ、ほどよく脂ののった味が四季を通じて好まれ、家庭で食べる魚介類の上位を占めます。
アジ科の魚は体の中央側に「ゼイゴ」と呼ばれる菱形のトゲのような形のうろこを一列持つことです。マアジの場合、関西では春先から5~6月まで、関東は5~7月漁獲量が最も多く、大きなものは50~60㎝にもなりますが、普通食べるのは20㎝位の中アジや5~10㎝前後の小アジが大部分です。ほぼ1年中出回っていますが、5~7月は産卵前で特に脂がのって、旨味が増します。
選び方と調理
新鮮なアジはうろこが銀色に光り、目が透明で目やえらに出血がなく、体表全体につやと張りがあります。まず、尾ひれのつけ根部分にあるゼイゴをそぎ落とします。ついで、えら、内臓を取り除きます。アジはコクのある旨味と青魚なのに癖がないため、用途は広く、刺身、たたき、塩焼き、煮付け、から揚げ、フライ、ムニエル、マリネ、酢の物などあらゆる料理に向きます。ただ、肉質は水分が多く、身がくずれやすいため、落しぶたをして静かに煮ます。
栄養価  
アジは栄養的バランスがよく、タンパク質は100g当り18.7gで、アミノ酸スコアは100と、良質のタンパク源になります。また、タウリンも多く、高血圧や動脈硬化を予防したり、心臓機能を強化したりする作用があります。
脂質は6.9gと比較的少なく、あっさりした味ですが、遊離アミノ酸やイノシン酸と肉に含まれる脂質との微妙なバランスが「アジの旨味」を引き出しています。脂肪酸構成では不飽和脂肪酸を多く含んでいます。特に、血液中のコレステロール値や中性脂肪値を下げ、血栓予防効果や血圧低下作用のあるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)を豊富に含んでいます。DHAは脳細胞を活性化する働きもあり、脳の発達に大きな役割を果たします。
また、カルシウムが多く、魚肉100g中65mgも含まれており、海産魚類の中ではトップクラスです。マアジを三枚おろしにした時は、骨を揚げて骨せんべいにしたり、小アジはから揚げにして食べると骨のカルシウムも摂ることができます。さらに南蛮漬けやマリネなどの酢漬けにすると、酢の効用で骨が軟らかくなり、カルシウムの吸収率もアップします。
ビタミンではB1・B2、ナイアシンが多く含まれます。ビタミンB2は細胞の成長や再生を助ける作用があり、特に皮の部分に多いので皮ごと食べるようにします。ナイアシンは血液循環を良くする働きがあり、動脈硬化を予防します。

女子栄養大学副学長   農学博士   五明 紀春

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