ブリの特徴と栄養

出世魚
ブリは温帯性の回遊魚で、日本各地の沿岸で見られ、この幼魚を獲って養殖したものがハマチです。ブリは出世魚として、関東では、15㎝前後をワカシ、30~40㎝の少年期をイナダ、50~60㎝の青年期をワラサ、60~80㎝以上の成魚をブリと言います。 体は紡錘形で、背部が青緑色、腹部は白銀色で、頭部から尾にかけて中央部に黄色の縦走帯が走っています。天然のブリの身は淡いピンク色ですが、養殖ハマチは脂肪が多いために白っぽい色をしています。
真冬に獲れるブリは「寒ブリ」と呼ばれ、身が締まって脂がのりおいしく、刺身や寿司種などとして最高級品となります。一方、養殖ハマチは身がやわらかで脂肪が多く、天然物とは味に歴然とした違いがありますが、安価であり、ブリの漁獲量の80%以上は養殖ハマチです。

栄養成分
天然物のブリと養殖ハマチの栄養成分にはほとんど変わりがありません。
タンパク質は良質で、その含有量は100g中ほぼ20gと魚の中でも高い値を示しています。
脂肪も多く含まれています(脂質18g)。不飽和脂肪酸のDHAはマグロ、サバに次いで多く、EPAも多く含まれています。これらの不飽和脂肪酸は血中コレステロールや中性脂肪を低下させ、動脈硬化や痴呆を予防したり、血栓を抑えたりする働きがあります。
ビタミン類では、B1、B2、D、E、ナイアシンなどが多く含まれています。B1は糖質が体内でエネルギーに変わる時に必要なビタミンで、B2も糖質、脂質、タンパク質の代謝に関係があります。ビタミンDは骨を正常に発育させるために欠かせないビタミンで、骨の主な成分であるカルシウムやリンの吸収を促進させます。ビタミンEは抗酸化作用があり、細胞の老化を抑制したり、不飽和脂肪酸の酸化を抑えます。ナイアシンは血液の循環を良くする働きがあり、動脈硬化を予防します。
また、タウリンも豊富で、特に血合肉に多く含まれています。タウリンは含硫アミノ酸の一種で、旨味成分でもあります。そして、タウリンは血圧を調節するので高血圧に対して効果的な上、血中コレステロール値を下げたり、肝機能を向上させるなどの作用があり、心臓や肝臓の機能を高めます。

選び方と調理法
切り身には背身と腹身があり、背身は血合部分が多く、比較的さっぱりとしています。腹身は幅が狭く細長い形をしていて、脂肪が多く含まれています。鮮度のよいものはツヤがあり、身の色が澄んでいて、血合肉の色は鮮紅色をしています。しかし、鮮度が落ちると、血合肉の色は褐色になっていきます。
刺身、寿司種として生で食べる他、塩焼き、照り焼きなどにします。また、アラや中落ちを大根とともに煮た「ブリ大根」、あごの部分を塩焼きにした「ブリかま」などもおいしいです。その他、汁物、鍋物、煮付け、ムニエル、バター焼き、トマト煮などにもします。

女子栄養大学副学長   農学博士   五明 紀春

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