冬の旬「鱈」のおいしさ

タラの特徴と栄養
  タラ漁の最盛期はオホーツク海に寒風吹きすさぶ12~2月。タラは寒帯性の底生魚(海底で生活する魚)です。夏場は沖合いの深みにいて、12~2月の産卵期に浅い所にきて産卵します。この時期が旬で、はえ縄や底刺し網などで獲ります。その貪食ぶりから、「たら腹食べる」の言葉が生まれたと言われます。 
タラ三種―マダラ、スケトウダラ、コマイ
 日本近海には約90種類のタラがいますが、普通タラと言うとタラ目タラ科のマダラ、スケトウダラ、コマイの3種類を言います。
 マダラ(真鱈)は東北、北海道が主産地です。ホンダラ、ヒゲダラともいい、体は灰褐色で、腹側が白く、細長く、腹部が肥大し、体長1m、体重20kgにもなります。マダラは軟らかく淡泊な味です。
 スケトウダラはスケソウとも呼ばれ、冷凍すり身としてカマボコや魚肉ソーセージなど練り製品の原料として使われます。小型で細長く、体長は50~60cm。「タラコ」はスケソウダラの卵巣を塩蔵したもので、唐辛子を添加したものは「辛子明太子」です。
コマイ(氷下魚)はカンカイとも言い、北海道東岸に多く生息しています。体長は他のタラに比べ小ぶりで約30cm。味は白身で淡白ですが、凍ったコマイは美味。
高タンパク・低脂肪
 代表的な白身魚。タラ可食部100gあたり、タンパク質15.7g含む一方、脂肪は0.4gと極端に少ないため、軟らかで淡泊な味です。その為、消化のよいタンパク質源としてお年寄りや乳幼児の離乳食、病人食などにも向きます。
 ビタミンはA、D、B群、ミネラルはカルシウムなどを多く含んでいます。特に、肝臓にはビタミンAとDが多量に含まれ、風邪、結核、夜盲症の薬として珍重されてきました。ビタミンA源として肝油の原料にもされます。
 タラコにはビタミンA、B1、B2、ナイアシンが豊富に含まれています。その他、タラには血中コレステロールを低下させたり、心臓の働きをよくするタウリンや肝臓の働きを改善したり、老化を予防するグルタチオンも含まれています。
選び方と加工・調理法
 タラは鮮度落ちが早く、特有の臭い(タラ臭)が発生します。目は黒く澄み、切り身は皮に張りがあり透明感のあるものを選びます。タラコは色つやがあり、粒の大きさが揃っているものを。また、あまり真っ赤に着色してあるものは避けましょう。
 マダラはタラちり、三平汁、塩焼き、煮付けなどに。新鮮なものは刺身や昆布しめに。味つけの工夫しだいで、ホイル焼き、ソテー、グラタン、トマト煮、フライ、ムニエルなど多彩な料理が楽しめます。白子は酢の物、吸い物、鍋ものなどに。生のタラコは含め煮で。また、「でんぶ(そぼろ)」はタラ肉を細かくほぐし、砂糖、塩、食紅を加えて煮詰めたものです。
 粕漬や乾物の干しダラ、棒ダラなどもあります。
女子栄養大学副学長   農学博士   五明 紀春

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です